愛知県・名古屋市でNPO法人を設立するには|認証申請から登記までの流れ

地域の課題解決や福祉、子育て、環境保全、動物保護などの活動を継続的に行うため、NPO法人の設立を検討する方が増えています。

NPO法人を設立すると、法人名義で契約を締結したり、銀行口座を開設したりすることができ、団体としての社会的な信用にもつながります。

一方で、NPO法人は、必要な書類を法務局へ提出するだけで設立できる法人ではありません。事前に定款や事業計画書などを作成し、所轄庁から設立の認証を受けたうえで、法務局で設立登記を行う必要があります。

今回は、愛知県・名古屋市でNPO法人を設立する場合の要件、必要書類、認証申請から登記までの流れをご説明します。

NPO法人とは

NPO法人の正式名称は「特定非営利活動法人」です。

特定非営利活動促進法に定められた活動を行い、不特定かつ多数の方の利益に寄与することを目的とする法人をいいます。

「非営利」とは、利益を上げてはいけないという意味ではありません。事業によって収益を得たり、職員へ給与を支払ったりすることも可能です。

ただし、事業によって生じた利益を社員や役員などへ分配することはできず、法人の活動を継続するために使用する必要があります。

NPO法人の設立に必要な主な要件

NPO法人を設立するためには、主に次の要件を満たす必要があります。

・特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
・営利を目的としないこと
・宗教活動や政治活動を主たる目的としないこと
・特定の公職者や政党を推薦、支持または反対することを目的としないこと
・社員の資格の取得や喪失に、不当な条件を設けないこと
・10人以上の社員を有すること
・理事3人以上および監事1人以上を置くこと
・役員のうち報酬を受ける方の数が、役員総数の3分の1以下であること

役員には欠格事由や親族に関する制限もあるため、候補者を決める際には事前に確認が必要です。

「社員」とは従業員のことではありません

NPO法人における「社員」とは、一般的な会社員や従業員という意味ではありません。

社員総会で議決権を持ち、法人の意思決定に参加する構成員を指します。一般には、定款で「正会員」と定められた方が社員に該当します。

NPO法人の設立には、社員が10人以上必要です。理事を務める方が社員を兼ねることもできますが、監事は理事や法人の職員を兼ねることができません。

愛知県と名古屋市では所轄庁が異なります

NPO法人の設立認証申請は、法人の「所轄庁」へ提出します。

所轄庁は、活動する地域ではなく、法人の事務所をどこに置くかによって決まります。

名古屋市内のみに事務所を置く場合

主たる事務所と従たる事務所のすべてを名古屋市内に置く場合は、名古屋市長が所轄庁となります。

申請・相談窓口は、名古屋市市民活動推進センターです。

愛知県内に事務所を置く場合

主たる事務所を愛知県内に置き、名古屋市外にも事務所を設ける場合は、愛知県知事が所轄庁となります。

申請・相談窓口は、あいちNPO交流プラザです。

例えば、岡崎市、豊田市、一宮市、春日井市などに主たる事務所を置く場合は、愛知県へ申請します。

設立認証申請に必要となる主な書類

NPO法人の設立認証申請では、一般的に次の書類を準備します。

・設立認証申請書
・定款
・役員名簿
・役員の就任承諾書および誓約書の写し
・役員の住所または居所を証明する書面
・社員のうち10人以上の方の名簿
・確認書
・設立趣旨書
・設立について意思決定を行ったことを証する議事録の写し
・設立当初の事業年度および翌事業年度の事業計画書
・設立当初の事業年度および翌事業年度の活動予算書

単に様式へ記入するだけでなく、定款、設立趣旨書、事業計画書および活動予算書の内容に整合性を持たせることが重要です。

例えば、定款に記載した事業が事業計画書に反映されているか、事業計画と活動予算書の収入・支出が対応しているかなどを確認する必要があります。

NPO法人設立の基本的な流れ

1.設立メンバーと活動内容を整理する

最初に、法人の目的、具体的な活動内容、社員、役員、事務所の所在地などを決めます。

あわせて、会費、事業収入、寄附金などの収入見込みと、活動に必要な支出を整理し、継続可能な運営計画を検討します。

2.定款や事業計画書などを作成する

法人の基本的なルールとなる定款を作成します。

定款には、法人の目的、名称、事業、事務所、社員、役員、会議、資産、会計、公告方法などを定めます。

定款の内容は設立後の法人運営にも影響するため、実際の運営方法を想定して作成することが大切です。

3.設立総会を開催する

設立総会を開催し、定款、役員、事業計画、活動予算などについて決議します。

設立総会で決定した内容は、議事録として記録し、設立認証申請書の添付書類として提出します。

4.所轄庁へ設立認証申請を行う

必要書類が整ったら、愛知県または名古屋市へ設立認証申請を行います。

提出された定款、役員名簿、設立趣旨書、事業計画書、活動予算書などの一部は、受理された日から2週間、一般に公表・縦覧されます。

縦覧期間の終了後、所轄庁による審査が行われ、認証または不認証が決定されます。申請の受理から認証・不認証の決定までは、原則として2か月半以内が目安です。

ただし、事前相談や書類作成、修正に要する期間は含まれないため、余裕を持って準備する必要があります。

5.認証後に設立登記を行う

所轄庁から認証を受けただけでは、NPO法人はまだ成立していません。

認証通知が到達した日から2週間以内に、主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立登記を行います。

NPO法人は、この設立登記によって初めて法人として成立します。

登記申請は司法書士の業務となるため、専門家へ依頼する場合は、行政書士と司法書士が連携して手続きを進めます。

6.設立登記完了後の届出を行う

設立登記の完了後は、所轄庁へ次の書類を提出します。

・設立登記完了届出書
・登記事項証明書
・設立時の財産目録

このほか、法人の事業内容や職員の雇用状況などに応じて、税務署、県税事務所、市税事務所、年金事務所、労働基準監督署などへの手続きが必要になる場合があります。

NPO法人は設立後も手続きが必要です

NPO法人は、設立後も定款や法令に従って運営しなければなりません。

毎事業年度終了後には、事業報告書、活動計算書、貸借対照表、財産目録、役員名簿などを作成し、原則として事業年度終了後3か月以内に所轄庁へ提出します。

また、役員、事務所、定款などに変更があった場合にも、変更内容に応じた届出、認証申請または登記が必要です。

設立時だけでなく、その後の運営体制まで見据えて準備することが大切です。

設立後の運営も見据えてサポートします

NPO法人は、設立すること自体がゴールではありません。

設立後に活動を継続していくためには、法人の理念や目的をメンバー間で共有し、事業内容、役割分担、意思決定の方法、収支計画などを整理して、無理なく運営できる体制を整えることが大切です。

スピカ行政書士オフィスでは、NPO法人の設立認証申請に加え、行政書士と中小企業診断士が連携する「IN ALIGNMENT(インアライメント)」として、設立前の構想段階から、設立後の運営を見据えたご相談にも対応しております。

団体として実現したいことを伺いながら、事業の方向性や運営体制を整理し、想いを継続可能な活動へつなげるための支援を行います。

また、設立後の活動内容に応じて、職員、ボランティア、業務委託先、協力団体、利用者などとの関係を明確にする契約書や、運営に必要な規程・書類の作成もサポートしております。

関係者の役割や責任、費用負担、個人情報の取扱いなどをあらかじめ書面で整理しておくことは、設立後の認識の相違やトラブルを防ぎ、安心して活動を続けるためにも重要です。

まとめ

愛知県・名古屋市でNPO法人を設立するためには、社員や役員などの要件を整え、定款、設立趣旨書、事業計画書、活動予算書などを作成したうえで、所轄庁の認証を受ける必要があります。

さらに、認証後には法務局で設立登記を行い、登記完了後は所轄庁や関係機関への届出を行います。

スピカ行政書士オフィスでは、NPO法人の設立に向けた活動内容の整理から、定款、設立趣旨書、事業計画書、活動予算書、議事録その他の必要書類の作成、所轄庁への申請までサポートしております。

設立登記については司法書士と連携し、認証申請から法人の成立まで円滑に進められるよう対応いたします。

また、「IN ALIGNMENT(インアライメント)」では、中小企業診断士と連携し、設立後の事業運営や組織体制まで見据えたご相談にも対応しております。契約書や運営に必要な書類の作成を含め、法人設立後も安心して活動を続けられるよう伴走いたします。

NPO法人の設立や、設立後の運営体制についてお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な制度をご案内するものです。法人の活動内容、事務所の所在地、役員構成などによって必要な手続きが異なる場合があります。

参考:
内閣府NPOホームページ「認証制度について」
愛知県「設立認証申請」
名古屋市市民活動推進センター「NPO法人を設立する」

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